2012年10月06日

大滝秀治さん。沁み出すもの。

やっと、秋っぽくなってきました。空気がだんだん澄んで来て 生き返ったよう。

360度サラウンドな蝉な蝉時雨が いつのまにか鈴虫?の大ストリングスが響き渡っています。

季節はフェイドイン、フェイドアウト。

変わり目って 曖昧なものだな。



名優 大滝秀治さんが御年87歳で 亡くなられた。風貌がどことなく父に似ていて勝手に親近感を持っていた。

大滝さんの笑顔は 頑固親父が時々見せる特別なあったかさ、のようで好きだった。

そしてあの訥々した感じの語り口調やお声も好きだった。

優しい、というより 温かい。温度、体温があるお声。

テレビで 生前の大滝さんをしのぶコーナーで 印象的なインタビューが映った。

俳優になったとき 『声』に不協和音の響きがあるから

役者に向いていない、と先輩の俳優 宇野重吉さんにいわれたこと。

『役者をやめる決断ができるのも役者らしい、というとだ』といったことを当時監督さんだか重要なポストの方に

言われて 『さすがに、それはこたえました』と語っていらした。


それを語る大滝さんの瞳に一瞬 怒りのような、傷のようなものがみえた。永い時間をかけても 消えないもの。

若い俳優だった当時の大滝さんにとっては 
「その想いをエネルギーにして、、、」なんて簡単には言えないくらいの出来事だったのだと思う。

そのあとのお話はながれなかったが どんなに大きな出来事だったのか、計り知れない。

でも その声 こそが 後々 CMのナレーションだろうがすぐに聞き手を引き込んでしまう力を

持っていたのだから人生は ほんとうに深いもの。


朗々と 滑らかなお声ではないけれど だからこそ内側から声に沁みだすモノと深く向き合い熟成されてきたのだろうか。


内側。それはどんな風だろう。

演技でも歌でも 踊りでも きっと何にでも沁みだしてくるもの。

いちいち、弁解も説明もできないもの。

怖いけれど それが 沁み出したもの、透けて見えるものが胸をうつのだ。きっと。


あーあ。。。えらいところに 足を踏み入れてしまったな。


だけど それを受け取ってもらえたとき、自分が 観客として感じ取れたとき、

生きててよかったな、なんて思うのだから そのアンテナを疎ましくなんて思ったらバチが当たる。

世の中のすべてのプロフェッショナルは こうやって 表には現れない、その人なりの 向き合い方で

仕事、自分の人生と向きあっていくんだろう。 

そしてそれに触れたとき ひとは感動するんだろう。。

あたしは まだまだひよっこ。がんばろう、っと。



いろんなことを 思いながら大滝さんを偲んでいた。


親族の方が 「最後まで次にやる舞台の台本を何本もベッドの中で抱えていました。」と語っていた。


享年87歳で 去年も舞台に立って壮絶な芝居をしてらしたことを知り 生で観たかった、、、とほんとうに

残念だ。


そして病に倒れてもなお最後の最後まで次の準備の『途中』でいらした心意気。胸が熱くなる。


さいごの芝居の相手は高倉健さんだったそうだ。『あなたへ』という映画。

かならず観にいこう、とおもう。
















posted by 浜崎直子 at 08:01| Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。
高倉健さんの特集の番組に、大滝さんが、あるワンシーンで出てあるのを拝見しました。
台詞を書くと映画を見た時に感動が無くなるかもしれないので、ここでは書きませんが(笑) 一言、二言の短い台詞でした。。
収録後、高倉健さんは感動のあまり涙していらっしゃいました。。 プロ対プロ・職人対職人のワンシーンでした。
まだまだ、大滝さんの演技には及ばないみたいな事をおっしゃってました。 演技(仕事)への貪欲な取り組み、追求に心を動かされました。私も見習わないとウインク

Posted by タナカヨシカズ at 2012年10月13日 12:38
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